お葬式には宗教の違いによってさまざまな儀式の違いがあります。
多宗教国家である日本においては、参列するお葬式の宗教によって変化する作法やマナーに会葬者が右往左往することもしばしばです。
会葬する葬儀の宗教について、基本的な知識だけでも得られれば心にゆとりをもって儀式に臨むことができますよね。
この記事では創価学会のお葬式である友人葬の流れなどについてさらりと解説してまいりますので、どうぞお付き合いください。
○ 友人葬って友達関係でなくても参列できるの?
創価学会ってどんな宗教なのです?
創価学会は昭和5年に牧口常三郎さんと戸田城聖さんによって設立された教育団体を基礎としています。
日蓮大聖人の教えを教義としており、創立当初より日蓮正宗の在家団体のような立ち位置でしたが、現在は創価学会単独で存在しており他宗教との関係はないようです。
日蓮大聖人を本仏としており、『南無妙法蓮華経』の題目を唱えます。
『創価』は『価値創造』の意味であり、日蓮大聖人の仏法を実践することで、人間革命を達成し、文化・教育・社会においての価値創造を目指します。
創価学会のお葬式
創価学会の通夜・葬儀は『友人葬』と呼ばれる形式で営まれます。
生前の信仰によって成仏をするのだから僧侶による引導などの作法は必要無いという考え方で、葬儀は故人に対する感謝と遺族に対するいたわりの心を持って題目を唱える儀式であるとします。
よってお寺の僧侶などは必要とせずに、儀典部と呼ばれる部門に所属する創価学会員が導師として儀式を執り行なうのです。
『友人葬』とは遺族・親族・友人たちが集い、日蓮大聖人の教えに基づき故人を送る、『まごころ』を大切にする葬儀の形式です。
創価学会の葬送儀礼
地域や担当する儀典長によって多少異なる部分もありますが、創価学会『友人葬』の流れは以下のようになります。
- かいしきのじ【開式の辞】…司会者より開式の案内があり、導師より友人葬を行なう意義が述べられる
- どきょう・しょうだい【読経・唱題】…『法華経』のなかで重要な部分である『方便品(ほうべんぽん)』『寿量品(じゅりょうほん)』『自我偈(じがげ)』が読まれ、読経中に導師の焼香をスタートとして遺族・参列者の焼香が行なわれる
- きねんぶん【祈念文】…導師による追善供養の祈念が行なわれる
- だいもくさんしょう【題目三唱】…リンを鳴らして合図とし、題目を三唱する
- ちょういぶん・ちょうでん【弔慰文・弔電】…司会者による弔電と弔慰文の紹介、弔慰文は導師が紹介することもある
- どうしあいさつ【導師挨拶】…導師による故人の経歴紹介と挨拶が行なわれる
- いぞくあいさつ【遺族挨拶】…喪主及び喪主代理が遺族を代表して挨拶する
- だいもくさんしょう【題目三唱】…④に同じ
- へいしきのじ【閉式の辞】…司会者より閉式の案内がされる
ちなみに通夜式においても、上記とほぼ同じ流れで儀式が進行します。
いろいろな葬儀スタイル
現在はお葬式のスタイルが多岐にわたっていて、遺族の選択の幅がひろがっていますね。
『一般葬』『家族葬』『一日葬』『直葬』と、参列者の人数や儀式のやり方で分けられていて、遺族・親族・宗教者それぞれのスタンスをすり合わせてお葬式のスタイルを決めていきます。
『友人葬』という言葉も、本来は遺族・親族に友人たちを加えた参列者による葬儀を指していたのですが、創価学会の葬儀を『友人葬』と称するようになって、現在ではそれが定着しているのですね。
創価学会における『友人』とは、主に信仰を同じくする同志や仲間のことを意味しています。
まごころを寄せるお葬式
この記事では創価学会の友人葬の流れなどについてさらりと解説してまいりました。
『友人葬』とは故人と親しかった人たちが集まり、題目を唱え、『まごころ』を込めて祈り供養をするものなのだそうです。
いかなる宗教であっても、故人への感謝の心を持ち寄ることは葬儀において一番大切な要素だと感じます。
あなたのまごころを故人へ向けてお葬式へ参列されてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。