いろんなシャーペンが発売されている現代、特に芯が折れないというシャーペンの弱点を克服したものが多く市場に出ていますね。
そんな現在より数十年もの昔にプロユースのための折れないシャーペンが発売されていました。
この記事では1978年にプラチナ万年筆から発売されたシャーペン『プレスマン』について使用感などを綴ってまいりますのでお付き合いください。
折れないシャーペンの元祖
プラチナ万年筆の『プレスマン』は昭和53年に、芯の折れないシャーペンとして発売されました。
『プレスマン』のメインターゲットは速記士や記者という、いわゆる【書くプロフェッショナル】でした。
そんなプロたちに満足のいく筆記をしてもらうため、軽いボディ・0.9ミリ芯・セーフティスライドといった仕様や技術を採用したのでした。
1978年の発売から40年以上の間、廃盤となることなくロングセラー商品となり得た仕様と技術を探っていきます。
軽いボディ重量
1970年ごろからシャーペンは徐々に普及をしていったのですが、パーツに金属を使用しているためどうしてもペン重が重くなりがちで、当時書く仕事をしていた人たちはシャーペンより鉛筆を使用することが多かったようです。
『プレスマン』は重量が約8グラムで、一般的な鉛筆と比べると約2倍の重さなのですが、それでも当時のシャーペンの中では軽量で鉛筆から違和感なく移行できる筆記感でした。
0.9ミリ芯で折れにくく書きやすい
シャーペンの芯は0.5ミリが現在の主流ですが、もともとシャーペンの出始めのころは1ミリくらいの太さが一般的でした。
『プレスマン』が発売されたころはすでに、0.5ミリ芯が主流の時代でした。
0.5ミリくらいの太さが画数の多い字を書く時も書きやすいということで、漢字を書く機会の多い日本人にマッチした芯の太さだったのですね。
そのような風潮の中で『プレスマン』は0.9ミリの芯を採用しているのは、太めの芯にすることで芯折れを防いでくれますし、太めの書き味が鉛筆と似ているため、鉛筆からシャーペンへの乗り換えもやりやすいという一石二鳥の効果をもたらすためのことでした。
セーフティスライド搭載
令和の現在となってはあたりまえの芯が折れない機構ですが、昭和の時代に仕組みは開発され商品に搭載されていました。
セーフティスライド機構は筆圧の加減によって、芯がガイドパイプに入り込んで芯折れを防いでくれるシステムです。
昭和50年代においてすでにこのような技術があり、商品として販売されていたということを知っている人はあまりいないかもしれませんね。(私も最近まで知りませんでした、というか昭和53年生まれということは私とプレスマンは同じ年なのか…。)
プレスマンの使用感
書くプロフェッショナルのためのシャーペン『プレスマン』の使用感をみていきます。
使いやすいポイント
- 持ちやすい細身のボディと軽いペン重
すらっとしたスリムなボディは男性女性問わず手におさまりやすく、軽めのペン重も相まって筆記がしやすいスタイルとなっています。
発売当初から現在までボディ形状がそのままなのは、すでに完成された形であるということでしょうね。
グリップ部分もウェーブ加工がされており、しっかり滑り止めの役割を果たしてくれています。
- 筆圧の吸収をしながら芯折れを防止
書き物をするときはできるだけ集中したいものですよね。
『プレスマン』は書くプロのためのシャーペンだけあって、セーフティスライドの安心感と0.9ミリ芯の安定感で筆記に全集中することができます。
替え芯も『プレスマン』専用のものが発売されていて、全長100ミリと通常の替え芯よりも長く、連続した筆記にも対応できるものとなっています。
使いにくいポイント
- 良くも悪くも昭和のシャーペン
最近のシャーペンは芯折れ防止以外にも機能があったり、スタイリングもオシャレで所有欲が満たされるようなものばかりですよね。
『プレスマン』は昭和生まれのシャーペンですので、オシャレであるとはいえませんし、特徴的なスタイルでもありません。
逆に考えると懐かしさを感じるレトロなシャーペンというところは『プレスマン』のアイデンティティでもあるのかなとも思えますがどうでしょうか。
200円でプロ気分の筆記をしよう
1978年に発売開始された速記用シャーペンの『プレスマン』
2016年に新色追加と若干の仕様変更にてリニューアル発売されています。
40年以上にわたり変わらぬフォルムで、プロのみならずさまざまなユーザーに愛されているロングセラーのシャーペンです。
さして装飾のないシンプルな姿がいかにもプロ仕様のペンであるという雰囲気を醸し出していますよね。
筆記性能抜群、200円で味わえる昭和のレトロ感とプロ気分の書き味。
一度使ったら癖になる使い心地をぜひ試してみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。