フォルムはまさに万年筆そのもの。
しっかりした見た目とはうらはらの軽やかなでやわらかい書き味が魅力なんです。
握ったときの感触、紙に触れたときの書き心地、ノックしたときの音、デザインや材質、扱いやすい重量など筆記具におけるお気に入りポイントは人それぞれ違うものです。
それらすべてを満たすのは難しいですが、その中でも多くのポイントをクリアできたものが、常用ペンの座を勝ち取ることができるのです。
この記事では、万年筆を連想させるボディに心地よいギミックを詰め込んだロングセラーシャーペン『ぺんてる 万年CIL ケリー』の使用感などについて綴ってまいりますのでどうぞお付き合いください。
○ 発売から50年以上経っているペンでも、ちゃんと使いやすいの?
○ 万年CILなんてシャレみたいな名前だけど、ホントに長く使えるもの?
昔は万年筆がペンの主流だった
現在インクを使ったペンといえば、ボールペンやサインペンを思い浮かべますよね。
万年筆と聞くと、高級感があって、インクを入れたりしないといけなくて、好きな人だけが使っているロマン文具的な扱いでございます。
でも万年筆だってメインで使用されていた時代があったのです。
筆を使っていた時代とボールペンやサインペンを使う現代をつないだのが万年筆なのですね。
一時代を築いた万年筆、その重厚感とスマートなデザインを宿した万年CILケリー。
シャレのようなネーミングだって伊達じゃない。
発売から50年以上経っても、現役バリバリのロングセラーを続けるケリーの実力は、どれほどすばらしいものなのでしょうか。
ぺんてる万年CILケリーの使用感
半世紀以上の時を経ても、不変のスタイルでユーザーを虜にするシャーペン『ぺんてる 万年CILケリー』の使用感をみていきましょう。
重厚なのに軽い! パラドックスが心地よい書き味
万年筆を少しショートにした形状のケリーは、構成するパーツがどれもしっかりと作られています。
ペンのキャップをノック部へ装着すると、『カチッ』と気持ちのよいセット音がなってくれます。
ルックス、フィーリング、サウンドで高級感を味わいつつ筆記を始めると、剛性のあるボディからは想像できないほど軽やかに、ペンを走らせることができます。
例えるなら細マッチョなペンとでもいいましょうか、いい意味で想像の逆をいく軽い書き味が体験できるシャーペンでございます。
素材の違うパーツがバランスを保っている
万年CILケリーはツヤのあるスマートボディ。
ルックスは金属製のガッチリした仕様に見えるのですが、実はところどころに樹脂パーツが配置されています。
ペン中心のローレット部分をはさんで両側が樹脂製で、口金とキャップ、ノックボタンが金属パーツとなっております。
筆記をしていてぬくもりを感じるのは、グリップが樹脂製だからなのですね。
プラスチックを使用することで、コストを下げつつ使いやすさを向上させている、まさに相乗効果でございますね。
低重心と軽さで書き味バツグン
金属とプラスチックがうまく融合した万年CILケリー。
筆記のときに気になる重心は、ペン先寄りの低重心気味になっています。
安定感のある書き心地は低重心とペン重の軽さがあるから実現できているのですね。
金属パーツと樹脂パーツの配置が、計算されたものなのだなと感じられます。
ユーザーの心をくすぐるギミック
使っていて心地よくなるギミックが、ケリーには搭載されています。
『カチッ』というキャップの接続音は、ケリーの代名詞と言ってもいいサウンドギミックですよね。
高級感を演出してくれるペン中心のローレット加工と、ペン先の視認性を確保してくれるキュッとくびれた口金のパーツも、よく考えて作られています。
キャップのノックボタンは、ペンに取り付けるとノックできるように飛び出してきます。
そのノックボタンを外すと消しゴムが登場するというオマケ付き。

書き心地とギミックで魅了してくれるケリーは、実力派エンターテイナーのシャーペンですね。
塗装のムラを個性と感じられるか

私が手にしたケリーはダークボルドーなのですが、樹脂パーツの部分に塗装ムラのような箇所がございます。
製造工程上仕方のない部分なのだろうと思いますが、気になる人は気になるところですね。
『この塗装だって味わいのあるデザインなんだ』と感じることができれば、ケリーへの愛着もより深いものへと変わっていきます。
本当に万年使いたいシャーペン
この記事では、昭和、平成、令和とロングセラーを続けて、信頼の書き味を提供してくれるシャーペン『ぺんてる 万年CIL ケリー』の使用感などについて綴ってまいりました。
発売から50年以上も売れ続けるシャーペンには、当然売れる理由があります。
書きやすさに惚れた、ギミックが気持ちいい、持ち運びやすいサイズ感が便利、万年筆にひけを取らないルックスと重厚感がたまらない…。
使い込んで、惚れ込んで、壊れたらまた買い直すというリピーターが多いのもうなずける、トータルバランスに優れたシャーペンですよ。
最後までご覧いただきありがとうございました。