2000年代後半からシャーペンの欠点を克服するような機能を備えた【機能性シャーペン】がメーカー各社から発売されています。
その中でも特にシャーペンの宿命であった『芯の折れ』に対応する【機能性シャーペン】の開発が盛んになっていました。
この記事では2014年に『芯の折れないシャーペン』の先駆けとして発売された『オレンズ』について使用感などを綴ってまいりますのでどうぞお付き合いください。
折れないシャーペンの始祖?
ペン先のパイプが芯を守るとか、負荷がかかるとバネが働き芯が守られるなどといった機構を持つシャーペンは2014年に発売された『オレンズ』が始まりではありません。
それ以前にプラチナ万年筆が『オ・レーヌ』という折れないシャーペンを2009年に発売しており、さらに歴史をたどると同じくプラチナ万年筆が『プレスマン』という速記士や記者ように開発された折れないシャーペンを1978年に発売していますので、『オレンズ』は『芯の折れないシャーペン』の第三世代の雄ということになります。
オレンズはなぜヒットしたのか
『オレンズ』以前にも『芯の折れないシャーペン』は存在していたのに、なぜ『オレンズ』が『折れないシャーペン』の先駆けとしてイメージされるほどにヒットしたのでしょうか。
それはメインターゲットである学生に向けてしっかりと訴求できたからです。
『オレンズシステム』と呼ばれる、先端のパイプから芯を出さずに筆記できる今までにないギミックを前面にアピールしたこと、そしてノートなどにたくさんの字を書く学生に対し、0.2ミリというこれまでにない超極細の芯を採用することで、小さな字も芯を折らずにたくさん書くことができるというメリットを押し出して学生たちの心をつかみヒット商品となりました。
オレンズの折れない仕組み
『オレンズ』は芯を出さないで書くという仕組みを搭載することで、『芯の折れないシャーペン』を実現しました。
筆圧の負荷がペン先のパイプにかかり、その圧に耐えきれなくなった芯が折れてしまうのですから、芯をまるごとパイプに収めてしまえば折れることもないという発想ですね。
『オレンズ』の正しい使用法として【芯を出さずに書きましょう】という説明がされています。
ペン先のパイプで芯をガードするのですから、普通のシャーペンと同じようにパイプから芯を出して書くと当然『オレンズシステム』は作動せず、芯が折れてしまうことになります。
パイプの中に芯が収まった状態で、果たしてちゃんと字が書けるのか不安を感じるかもしれませんが、パイプの先端が滑らかになっているため心配なくしっかり筆記することができます。
オレンズの使用感
芯を出さずに書くシャーペン『オレンズ』の使用感をみてまいります。
使いやすいポイント
- ノック一回で書き出せる
通常のシャーペンであれば芯をパイプから出すために3~4回ノックをしてから書き出し始めるのですが、『オレンズ』はパイプから芯を出すことなく筆記ができますので、ノックを1回するだけで即書き始めることができます。
ノックの回数って筆記のとき地味に手間になりますし、ノックのたびにペンを持ちかえないといけないので、1回のノックで書き始められるのはかなりのアドバンテージですね。
- オレンズシステムで集中した筆記ができる
慣れないうちは、芯がパイプの中に入ったままでちゃんと字が書けるのかと思ってしまいますが、意外に普段どおりの筆記ができますので、パイプに守られた芯が折れることなく集中して書き物をすることができます。
ノック1回の速記性とオレンズシステムの相乗効果で集中した長時間の筆記を可能にしているのですね。
- スリムで軽いスマートボディ
【機能性シャーペン】ってペン先に芯折れ防止機構が搭載されているので、先端部分が太くなりがちです。
でも『オレンズ』は【機能性シャーペン】ながらも全体的に細いボディに仕上がっているので、非常に持ちやすくなっています。
細身で軽いペンだと字を書く時も軽やかな感じで気持ちいいんですよね。
使いにくいポイント
- 紙にパイプの跡がつくこともある
筆圧に耐えるため、芯をパイプの中で守った状態で筆記するのですが、芯がパイプから出ていないということは紙に直接金属のパイプが当たっているということです。
パイプ先端は滑らかに加工してあるのですが、ペンの持ち方や筆圧の度合いによっては紙にパイプが当たった跡がつくこともありますので注意が必要です。
集中力が変わるペン先
芯をパイプに入れたまま書くという【機能性シャーペン】の中でも独特の発想で芯が折れないを実現した『オレンズ』
私は好みで0.5ミリ芯のタイプを使用しているのですが、『オレンズ』の真価は超極細の0.2ミリ芯タイプで発揮されます。
超極細の芯で小さい文字でも芯を折らずに集中して書ける…これぞ勉学を捗らせる学生向けのシャーペンといえるでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。