みなさんの中で、葬儀へ会葬に行ったとき焼香をするよう案内されて、作法がわからず困った経験がある人はいますでしょうか?
そもそも葬儀に参列したことがないので、困った経験がないという人もいるでしょう。
でも、いつ自分が葬儀に関わることになるかはわかりませんよね、遺族として関わるかもしれませんし、会葬者としてかもしれません。
そうなったときのために、お参りの作法は知っておくべきですよね。
この記事では、葬儀におけるお参りの作法について解説していきますのでお付き合いください。
お参りの仕方知っていますか?
イメージをしてみてください…あなたは会葬者として葬儀にやってきました。
お坊さんが入場して葬儀の儀式が始まります、読経が式場内に響き渡る中とあるタイミングで焼香をうながすアナウンスが入ります…遺族親族の焼香が終わり会葬者の番となりました。
さて、あなたはどのような作法で焼香をしてお参りをするでしょうか?
究極の方法はものまね
葬儀への参列経験が多い人は焼香などもスムーズにできると思います。
が、お参りの仕方がよくわからない人はどうしたらよいか…
…最も簡単な手段は他の参列者の真似をすることです。
まぁこれは事前に知識を得ていなかった時の対処法になります。
こちらのページへたどり着いた方は、きちんとした作法を覚えてお参りをしたいと考えていらっしゃると思いますので、以下に焼香・献花・玉串奉奠の手順を解説していきます。
焼香の仕方
仏教におけるお参りの形『焼香』の手順は
- 案内に従い焼香台へ進む。
- 遺族へ一礼、祭壇へ一礼をする。
- 香炉の向かって右側にあるお香をつまむ。
- 香炉の向かって左側にある炭へお香を落とす。
- 合掌しながら祭壇へ一礼、遺族へ一礼をする。
- 座席へ戻る。
となります。ではポイントを解説していきますね。
焼香台へ進み一礼
焼香のタイミングになったら、スタッフによる誘導が始まり順番に焼香台への移動がうながされます。
人それぞれに焼香のスピードが違いますので、通路に並んで焦らず順番を待ちましょう。
自分の番が来たら焼香台へ進み遺族へ向かって一礼し、その後祭壇の遺影に向かって一礼をします。
これからお参りさせていただきますという挨拶のようなものですね。
お香をつまみ炭へ落とす
焼香台には香炉が準備されています、香炉の中には右側にお香と左側に燃えている炭が入っています。
いざ焼香となるのですが、ここでお香を落とす回数や額に押しいただくかどうかなど宗派によって違いがあったりするために、迷いを生じさせてしまいます。
なので、もし迷ったら『会葬者の焼香は額に押しいただかず、お香を落とす回数は一回』でいいでしょう。
なぜかというと、儀式の時間はある程度決まっていてその流れに沿って進行しているので、会葬者が全員で2回3回とお香を落として焼香していると、儀式進行に支障が出る可能性があるからです。(僧侶が会葬者の焼香が終わらないからと読経のスピードを調整するとかちょっと滑稽ですしね…。)
それでもやっぱりちゃんとした作法でお参りしたいという方のために宗派ごとのやり方を記しておきます。
ご自分の宗派に寄っての焼香回数でお参りとなりますのでお間違えなく。
宗 派 | 回 数 作 法 |
浄土真宗本願寺派 | 1回 押しいただかない |
真宗大谷派 | 2回 押しいただかない |
浄土宗 | 1~3回 押しいただく |
日蓮宗 | 3回 押しいただく |
真言宗 | 3回 押しいただく |
曹洞宗 | 2回 1回目いただく 2回目いただかない |
天台宗 | 1~3回 押しいただく |
臨済宗 | 2回 1回目いただく 2回目いただかない |
あと、焼香で気を付けなければいけないのが、緊張のあまり舞い上がってしまい間違えて香炉の炭をつまんでしまうことです、ありえないと思っているかもしれませんが結構あるようですね…炭は燃えていますので触るとヤケド必至です…ご注意ください。
献花の仕方
キリスト教や無宗教葬、お別れの会などの際に献花スタイルのお参りをすることが多いですね。
『献花』の手順は
- 案内に従い献花台へ進む。
- 花を受け取り献花台の前で一礼
- 花の根元を祭壇へ向けて献花。
- 祭壇へ向かい一礼、遺族へ一礼。
- 座席へ戻る。
となります。ではポイントを見ていきますね。
献花台へ進み花を受け取り一礼
スタッフに献花へ進むよう案内されたら式場前方の献花台へ進みます。
献花台近くでスタッフが花を配っていますので、それを受け取ります。
献花用の花はカーネーションや菊などその時の状況で花の種類が異なりますが、用いる花は一輪のものになります。
そして献花台の前で祭壇の遺影に向かって一礼をします。
花の根元を祭壇へ向けて献花
献花の作法ですが、受け取った花の茎を自分のほうに向けて持ち、そこから半回転をさせて根元を祭壇へ向けた状態で献花台に乗せます。
回転させるときは時計回りです…とかいわれますけど、やりやすいようにされていいと思います。
ただし、花を持つ手に力を入れすぎて茎を折らないように気を付けてくださいね。
献花は手順が少ないので比較的覚えやすいと思います。
玉串奉奠の仕方
神道の葬儀で行われるお参りの儀式『玉串奉奠(ほうてん)』の手順は
- 案内に従い祭壇へ進む。
- スタッフより玉串を受け取る。
- 玉串の根元を祭壇向けて玉串案へ供える。
- 二礼・二拍手・一礼 (しのび手で!!)
- 遺族へ一礼して座席へ戻る。
となります。ポイントを解説しますね。
玉串を受け取り玉串案へ進む
スタッフの誘導で祭壇へ進みます、祭壇の前には玉串案という台が置いてあります。
途中でスタッフより玉串を受け取って玉串案まで進んでください。
根元を祭壇へ向けて供える
玉串奉奠の作法は、右手で根元、左手で葉先を持ち時計回りに半回転させて根元を祭壇へ向けて玉串案へ供える…んですけど、実際その時になると頭が真っ白になるかもしれないので『根元を祭壇へ向ける』ということだけ覚えておけばいいでしょう。
二礼・二拍手・一礼(しのび手で!!)
玉串をお供えした後は、神社の作法で拝礼をします。
『二礼・二拍手・一礼』という言葉を聞いたことがあるかと思います。
初詣などで神社を参拝するときもこの作法ですね。(葬儀の場では拍手の時音を立ててはいけません、人これをしのび手という…)
- 2回深く礼をする。(ぺこぺこ)
- 音を立てずに、寸止め拍手を2回する。(すっすっ)
- 1回深く礼をする。(ぺこり)
『ぺこぺこ すっすっ ぺこり』という感じで覚えてください。
拝礼が終わったら遺族へ向かって一礼して席へ戻ります。
焼香や献花にくらべて作法がやや難しいですが頑張ってください。
作法も大事。心も大事。
焼香・献花・玉串奉奠とお参りの仕方について解説してきましたが、多少間違ったとしても問題ありません、故人への感謝や哀悼の気持ちがなによりも大事です。
では、緊張することなくお参りできますよう…。
最後までご覧いただきありがとうございました。