2008年に発売された三菱鉛筆のクルトガを皮切りに各社から【機能性シャーペン】の発売が相次いだシャーペン市場。
疲れにくいペン『ドクターグリップ』でおなじみのパイロットが、後発ながら2017年に折れないシャーペンを発売し【機能性シャーペン】の市場に参戦しました。
この記事では『芯がモグって折れない』パイロットの『モーグルエアー』について使用感などを綴ってまいりますのでどうぞお付き合いください。
折れない機構に独自機能をプラス
『芯が折れない』シャーペンは2014年ごろから市場が盛んになってきました。
それから3年遅れてパイロットが発売した『モーグルエアー』には、芯が折れない機構とともにパイロット独自の『フレフレ機能』が搭載されています。
『フレフレ機能』はパイロットが1978年に開発した技術で、シャーペン内部におもりを配置しペン本体を振るだけで芯が出てくるという機能です。
『フレフレ機能』があればノックのためにペンを持ち替えたりすることなく、サッと芯が出せるので便利なうえに筆記にも集中できる優れたシステムですね。
私もこのフレフレが好きで、学生のころからペンケースにパイロットのシャーペンが確実に一本は入っていました。
折れないシャーペンの進化形
『芯が折れない』シャーペンは文具メーカー各社から発売されていて、それぞれ独自の技術が搭載されています。
【ガイドパイプに芯をまるごと収納する】
【バネの動作でガイドパイプが動き芯を守る】
【負荷が加わることでパイプに芯が入り込む】
といったような折れない機構が存在するのですが、後発の『モーグルエアー』はそれらの技術から一歩進んだ機構を搭載しています。
モーグルエアーの折れない仕組み
一歩進んだ折れない機構とはどのようなものかというと、さまざまな方向からの負荷を吸収しつつペン先をパイプにモグらせて芯を守る『アクティブサスペンション』と呼ばれる技術です。
芯がパイプにモグるだけだったらこれまでの技術と大して変わらないのですが、『モーグルエアー』の進化ポイントは【筆圧を吸収する】【芯が完全にパイプに入らない】という2点です。
筆圧を吸収する
『芯が折れない』シャーペンに代表される【機能性シャーペン】は芯を守ることはできるのですが、筆圧の吸収をしてくれるものはありませんでした。
『モーグルエアー』は『アクティブサスペンション』の働きで、あらゆる方向からの筆圧を吸収しながら芯を守りますので、特に圧力がかかりやすい書き出しの負荷を従来のペンの50%吸収してくれ、軽い書き味を実現しています。
芯が完全にパイプに入らない
折れないシャーペンは基本的にガイドパイプが芯を守るという前提があるのですが、パイプに芯が入り込んでしまうと、パイプの金属部分が紙に直接当たってしまうということになります。
そうすると芯が紙に当たりきれずに字がかすれたり、紙にパイプの触れた跡がついてしまったりするのです。
『モーグルエアー』は負荷を吸収するとともに、芯を完全にガイドパイプへ入れないようにすることで、パイプと紙の接触を回避し自然な筆記をサポートしてくれるのです。
モーグルエアーの使用感
モグって折れないシャーペン『モーグルエアー』の使用感をみてまいります。
使いやすいポイント
- いつでも軽いエアリーな書き味
衝撃吸収機構の『アクティブサスペンション』によって書き出しから書き終わりまで負荷を受け流してくれるので、筆圧の高い人でも快適な筆記が可能となります。
筆圧が高いとペン先に紙が負けてしまうことがあるのですが、筆圧の吸収によってペン先と紙の調和が生まれ軽快に筆運びができるというわけですね。
- フレフレ機能が気持ちいい
『芯が折れない』シャープペンにノック不要の『フレフレ機能』が搭載されることで、ノックのための持ち替えをしなくてよいので長時間の筆記も集中して行なうことかできます。
ペンを振ってカチャカチャと芯を出すのがこれまた心地いいんですよね。
使いにくいポイント
- ペンが重たい&グリップ部分が残念すぎる
ノック不要の『フレフレ機能』はペン内部のおもりを振ることで芯を出していくものです。
おもりが入っているので、当然ペンの重さが筆記に影響してくることになります。
ペン重のせいで筆記時間に比例して発生する疲労感が増してきます。
短時間の書き物なら問題ないのですが。
そして個人的に残念に感じたのがグリップ部分の造形です。
ペン尻からペン先までほぼ同じ径の寸胴ボディ、グリップ部分が太くて持ちやすくするための加工などは一切なし…。
とても持ちづらいし、手から滑り落ちそうで、これではペン先の負荷を吸収しても指先が長い時間の筆記に耐えきれません。
天下のドクターグリップを発売しているのですから『モーグルエアー』でも少しグリップにこだわってほしかったですね。
超軽快な書き心地
モグって折れないフレフレシャープペン『モーグルエアー』
スキー競技をもじった名前で、雪山のコブを華麗に滑るような書き味とでもいいましょうか。
グリップ部分が改善されれば、個人的には満点の書き味となる少し惜しい印象でした。
それほどに技術は素晴らしいものを持ったシャーペンです。
ドクターグリップバージョンをお待ちしています。
最後までご覧いただきありがとうございました。