就活、婚活などとならんで近頃よく使われるようになった終活という言葉、『人生の終末へ向けた活動』といったような意味なのですが、こういう活動が普及してきたのも少子高齢化という現代日本の社会構造がそうさせているのでしょうね。
自分自身が人生を終えた後で家族に迷惑をかけたくないとか、自分の葬式はこうしてほしいとか…そのほかにも口だけでは伝いきれない自分だけが知る人生におけるさまざまな情報が存在します。
そんな情報をまとめるツールとしてエンディングノートというものがあります。
この記事では、終活のひとつとしてみられるエンディングノートについて、主な内容やチェックすべきことなどを解説していきますのでお付き合いくださいませ。
エンディングノートを書くときのポイント
人生の終末期から最期を迎えた後のことについて家族へ自分の意思を伝えるエンディングノートですが、なにもお葬式のことだけを書くわけではありません。
エンディングノートは自分の意思表示とともに家族が事後のことに困らないために記すものですから、葬儀の希望以外にも書いておくべき項目がたくさんあります。
主な項目をまとめると、
- プロフィール
- もしものときは…
- 葬儀と供養
- 財産などの管理
- 伝えたいこと
以上となりますので、項目ごとに解説しますね。
プロフィール
あなたがいつどこで生まれ、どのような人生を歩んできたか…家族であっても知らないことがたくさんあるはずです。
見られて不都合なことは記入しなくてもいいですので(笑)、基本的な情報を記してみてください。
自分と家族のプロフ
- 名前・生年月日・血液型
- 出生地・本籍(←これ重要です)・現住所
- 配偶者と子供の名前
- 父・母・兄弟姉妹の情報
わが人生の経歴書
- 通った学校の名称と当時の記憶
- 子供時代の思い出や将来の夢
- 主な職歴、仕事での思い出
- 取得資格や所有免許など
- 好きな言葉・座右の銘
- 趣味嗜好・特技
これくらいの情報が記入できればOKですね。
もしものときは…
自分が生涯を終える前に意思表示ができなくなることが起こるかもしれません、または病気の告知など自分が知る前に家族が知ってしまう事柄もあるでしょう。
そういった状況になる前に、もし自分で自分のことを判断できなくなってしまったときにはこうして欲しいという希望を記しておきましょう。
入院や介護について
- 入院や介護の判断をしてもらいたい家族を指名
- 寝たきりなどの状況になったらどうしてほしいか
- 医療費や介護費用はどこから誰が捻出するのか
終末医療・治療など
- 病気・病名の告知、余命の告知を自分にしてほしいかどうか
- 終末医療を病院でするか、自宅で過ごすか
- 延命治療をするのかしないのか
- 献体や臓器提供を考えているか
この程度の希望は記しておくようにしましょう。
葬儀と供養
自分自身のお葬式って生前葬じゃない限り自分の目で見ることはできませんが、大なり小なりこんな葬儀にしてほしいという希望があったりするのではないでしょうか。
終活が一般化する前までは家族に葬儀の希望を聞いても、『てきとーに燃やして山にでも捨ててくれ』なんて冗談が返ってくるようなことが多かったのです。
生きているうちから死んだときのことを考えるなんてことはタブー視されていたのでしょうね。
でも時代は変わりました。
葬儀や供養について家族に任せる部分と自分の希望を尊重してほしい部分を記して託しましょう。
葬儀について
- どこの葬儀社に依頼するか、葬儀社の会員に加入しているか
- 家族葬なのか、一般葬なのか、葬儀スタイルはどうしてほしいか
- 遺影写真や祭壇などに希望のデザインなどがあるか
- 喪主はだれにするか、葬儀費用はどうするのか
- どの宗教で葬儀をすればよいか、寺院の名前や場所など
供養について
- お骨の行き先はお墓か、納骨堂か、散骨か
- 仏壇は新調するのか、不要なのか
- 忌明けや一周忌などの法要をどうしてほしいか
これくらいの情報があればいいと思います。
供養については、お骨の行き先だけでも記していただければOKでしょう。
財産などの管理
銀行預金や不動産、保険関係や土地家屋など自身が管理している財産などについて、その内容や管理方法、処理の仕方など思いつく限り記入してあげてください。
財産をだれに引き継ぐかという相続についても触れることはできますが、公的な遺言書のような法的拘束力はエンディングノートにはございませんのでお気を付けください。
- 土地、建物の不動産
- 運転免許や保険証などの公的書類
- 銀行口座や証券、クレジットカードやローン状況など
- 保険の契約情報
- 携帯電話やパソコンなどの記憶媒体
- その他財産の保管場所
自分が管理しているのであれば、家族は内容を知らないと思いますので、後々の処理に家族が困らないように記しておきましょう。
伝えたいこと
自分にもしものことがあった時に知らせてほしい人や所属しているクラブ、団体があれば記入しましょう。
訃報の伝達をする際に役立ちます。
あとは家族に伝えておきたいことがあれば、ちょっとしたメッセージでも構いませんので書いておきましょう。
思い立ったら書くべし
エンディングノートを書くのは、高齢の方だけではありません。
早くて30代、40代くらいから書き始めている方もいるようです。
ノートもいろんなメーカーから専用のものが発売されていますので、一冊用意してこれからでも少しずつ書き進めてもいいかと。
記入後に人生の変化がやってきても、その都度書き直して問題ありません。
家族のために、そして自分のためにエンディングノートの記入をおすすめします。
そしてノートの存在を家族と共有してください。
最後までご覧いただきありがとうございました。